歴史的にも有名な映画の1つである「オズの魔法使い」。
ファンタジーな内容ながらも不気味な雰囲気を漂わせていますね。
そのため、ライオンの衣装やマンチキンのことなど、裏に何かあるのか気になった方もいるかと思います。
調べると、色の変わる馬の秘密や犬のトトの給与のことまでわかりました。
今回、オズの魔法使いの裏話についてまとめてみたので詳しくお伝えしていきます。
オズの魔法使いの裏話まとめ!ドロシー(ジュディ)編
本作品を見る中でこれはどうなっているのかな?などと疑問に思うことがあった部分は多々あるかと思います。
それらも含めて、裏話としてまとめてみました。
まず、ドロシー役をしたジュディ・ガーランドの裏話についてお伝えしていきます。
ジュディの裏話①:元々クビになるはずだった
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出典元:海外ドラマNAVI
ジュディはMGM(当時のアメリカの大手配給会社)と専属契約を結んでいました。
当初のMGMは、ジュディの他に同年代の若手女優ディアナ・ダービンとも契約を結んでいました。
冷蔵庫がスカスカだから冷えます。でも何度も開けたり閉めたりします……おはよー
— こん@kon-kon (@1107_kon) July 26, 2015
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女優の卵は2人もいらいないと考えていたMGMは、重役から「あの太った娘を追い出せ」とジュディの契約を解除するようプロデューサーのアーサー・フリードに指示していました。
しかし、アーサーがクビにしたのはジュディではなく、ディアナだったのです。
その理由は、ジュディとアーサーは性◯関係にあったから。
アーサーは枕営業した女優に仕事を回すことで有名です。
枕営業した女優に仕事を回すことで有名なアーサーは、指示を勘違いしたふりをしてディアンをクビにしたのです。
ちなみに、ジュディは彼女と寝ていないプロデューサーはいないと言われるほど、私生活はスキャンダルで溢れてました。
ジュディの裏話②:厳しいダイエットをしていた
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出典元:GLAM
MGMはふくよかな体型を持つジュディに対して、「豚」と呼びダイエットを強要していました。
撮影最中にジュディが食べていたものは以下の3つだけでした。
・チキンスープ
・ブラックコーヒー
・タバコ
太りやすい体質だったジュディはかなり苦戦していました。
また、西の魔女役をしていたマーガレットも同様にダイエットを強要されていました。
魔女といえば、細くてボディーラインのある体型ということで、マーガレットは液体しか口にしてはいけないというかなり厳しい制限をかけられていました。
ジュディの裏話③:ドロシーの目がキラキラしているわけ
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出典元:Twitter
劇中ではドロシーの目がずっとキラキラしていますね。
気づかれた方もいるのではないでしょうか?
その理由はこの頃から、ドロシー役のジュディは覚◯剤の服用をしていたからです。
と言っても、当時は覚◯剤は身体に悪いものという認識がなかったため、疲労回復役として使われていたのです。
撮影はかなり過酷であり、乗り切るためにジュディの母が自らジュディにソレを渡していました。
また、MGMスタジオとしてもソレはダイエット効果があるということで、ダイエットも兼ねて勧めていました。
そのため、ジュディは完全にハイになってる状態で撮影していたと言われています。
ジュディの裏話④:LGBTQのレインボーフラッグの由来
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出典元:ELLE
LGBTQの象徴というとレインボーフラッグをイメージされるかと思います。
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そのわけをご存知ですか?
このレインボーフラッグは、ジュディー・ガーランドが歌う「Over The Rainbow」が元になっているといわれています。
ジュディがゲイ・アイコンとして認知されたのは「オズの魔法使い」でのドロシー役がきっかけです。
『オズの魔法使』には頭脳のないかかし男、心のないブリキ男、勇気のないライオンが旅のお供として登場する。彼らのコンプレックスの克服と、そのよき理解者で支持者でもあるドロシーにLGBTQ、主にゲイの人々が思いを重ねたことで、作品がLGBTQのマスターピースとなり、ドロシー=ジュディ・ガーランドはゲイ・アイコン化した。
引用元:シネマトゥデイ
当時、同性愛者差別が当たり前でしたが、ジュディは彼らに理解を示していた数少ないスターでした。
オズの魔法使いの裏話まとめ!大怪我編
撮影中の事故などから病院送りとなった俳優もいました。
彼らのことについてまとめたのでお伝えしていきます。
怪我の裏話①:ブリキ男の元役は病院送りとなった
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出典元:Wikipedia
ブリキ役をされたのはジャック・ヘイリーという方でしたが、元々は別の方がされる予定でした。
それが、カカシ役のレイ・ボルジャーです。
そして、元々カカシ役はバディ・イプセンという別の俳優さんがされる予定でした。
ところが、レイがカカシ役がやりたいと言い出したことで、監督は2人の役を交代することにしました。
そこで問題が発生したのです。
ブリキ役をすることになったバディに銀のペイントを塗ることになったのですが、そこに含まれていたアルミ粉に重度のアレルギー反応を起こしてしまいました。
アレルギーを持っている方からするととんでもないことですよね。
バディはすぐに病院に搬送され、入院することになりました。
そのため、バディは出演を降板することになり、ジャック・ヘイリーがブリキ役として演じることになったのです。
怪我の裏話②:西の悪い魔女は大怪我をしていた
西の魔女役をした方々(スタントマン含め)が撮影中に大怪我に見舞われたエピソードについてお伝えしますね。
西の悪い魔女の大怪我①
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出典元:映画スクエア
緑色の肌を持つ西の悪い魔女役を務めたマーガレット・ハミルトン。
彼女は本番で大火傷を負ってしまいます。
その場面はというと、マンチキンの町に現れていた西の悪い魔女が姿を消すところです。
彼女は姿を消すときに火が燃え上がり、その火の後ろには床が開くエレベーターがありました。
しかし、本番ではそのエレベーターが作動しなかったのです。
そのため、彼女は大火傷を負ってしまいました。
このとき、マーガレットは顔にⅡ度火傷、腕には皮膚の厚さ全てが熱によって傷害を受けるⅢ度火傷を負うことになりました。
<火傷の度合いについて>
Ⅰ度は表皮まで、Ⅱ度は真皮まで、Ⅲ度は皮下組織まで傷害が及んだものです。Ⅰ度は日焼けと同じように皮膚に赤みが出る程度です。
Ⅱ度になると水ぶくれができるのが特徴で、ヒリヒリとした痛みを伴います。
Ⅲ度になると皮膚に血の気がなくなり蠟のように白くなったり、炎で受傷した場合には炭のように黒くなったりします。Ⅲ度になると痛みを感じる神経まで損傷されるので逆に痛くないのが特徴です。
引用元:日本創傷外科学会
相当な火傷を負っていたことがわかりますね。
もちろんマーガレットは入院することになり、6週間の治療が必要となりました。
療養期間中、ドロシー役のジュディは彼女の家に通い、彼女の子供の面倒を見ていました。
治療が終わり、撮影現場に戻ったマーガレット。
火傷を負ったシーンはNGしか取れていなかったため、再度撮影することになるのですが彼女は同意しませんでした。
そのため、本番前に撮影されていたリハーサルの分が本番用として使われることになり、今の映画の一部となっています。
『魔女=緑色の肌』
というのはこの西の魔女から来ています。
西の悪い魔女の大怪我②
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出典元:Twitter
西の魔女の役にはベティー・ダンゴというスタントマンがいました。
ドロシーたちがエメラルド・シティに到着したときに西の悪い魔女が、ホウキに乗って「降参しろ、ドロシー!」と空に描く場面があります。
ベティーはその場面を担当していました。
ホウキから煙が出て文字を描く場面ですが、ホウキから煙を出すためにホウキにパイプを飾り付けていました。
しかし、三度目の撮影でそのパイプが爆発してしまったのです。
その爆発によりベティーは足に5cm以上の深い傷を負いました。
もちろん病院に運ばれて治療されました。
そしてベティーは11日間入院することになったため、降板し、新しいスタントマン(アリーン・グッドウィン)が代役を務めることになり、作品が完成しました。
オズの魔法使いの裏話まとめ!カラー編
カラー・色というと「?」となるかもしれませんが、カラフルな世界だからこそ、そして1939年当時だからこその裏話がありました。
カラーの裏話①:ルビーの靴は原作では銀だった
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出典元:BBC
世界的に知られているオズの魔法使いの映画では、ドロシーは赤色のルビーの靴を履いています。
しかし、原作では赤ではなく銀の靴でした。
なぜ銀から赤の靴に変更したのかというと、映画を製作したメトロ・ゴールドウィン・メイヤースタジオは、当時の最新テクニカルカラー技術を見せるために明るい色に変更ということで、赤色の靴となりました。
ルビーの靴だったからこそ心惹かれる部分があったのではないでしょうか。
カラーの裏話②:紫色の馬は本物の馬に着色していた
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出典元:Twitter
エメラルド・シティーに到着したドロシーたちは、紫色の馬がひく馬車に乗せてもらいます。
派手な色をした馬もインパクトがあるかと思います。
こちらの馬、実は本物の馬に着色しているのです。
ゼラチンデザートの「ジェロ」の粉末の葡萄味を使って馬に塗りつけていました。
ジェロとはアメリカで古くから親しまれているデザートです。
出典元:Amazon
かなりの量が必要だったのではないでしょうか。
オズの魔法使いの裏話まとめ!その他編
ここからは、ライオンの衣装がリアルなわけやマンチキンの正体などについてお伝えしていきます。
今の時代からは考えられないことばかりです…!
その他の裏話①:ライオンの衣装は本物
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出典元:シネマトゥデイ
旅をすることを決心したドロシーのもとに臆病なライオンが現れます。
リアルなライオンだと思われた方もいるのではないでしょうか。
こちらの衣装は本物のライオンの毛皮を素材として作られました。
この衣装は本物のライオンの毛皮で作られており、高い保温性を備えている。それ故、これを着た俳優は大量の汗をかき、衣装は毎回ぐっしょりと濡れていた。これを撮影の合間の短い時間で乾かすために、工業用の乾燥機が使用されていたという。正面には脱ぎ着するための隠しジッパーが縫いつけられており、尻尾も同じくジッパーで取り外しできる。
出典元:女性自身
1938年当時、毛皮に関する動物の愛護の考えがなかったこともあってできたことですね。
こちらの衣装は2014年にオークションにかけられて、300万ドル(日本円にして3億6400万円)で落札されました。
その他の裏話②:劇中の雪はアスベストだった
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出典元:Twitter
エメラルドシティーを目指すドロシーたちですが、目的地目前に綺麗なお花畑が現れます。
そこで西の悪い魔女が、彼女らを眠りにつかせようとして雪のようなものを降らせる場面がありますね。
あの雪のようなものはアスベストなのです。
<アスベスト>
屋根裏や壁、建物の骨組みなどに使用されていた天然の鉱石。
建物が火事にならないように、建物の材料に使われていました。
アスベストは人が吸い込むと、20〜30年後に癌になることがあるため現在は使われていません。
当時は、人体に危険なものであることが認知される前だったため使用されていました。
結構な量でしたよねあれ…
その他の裏話③:トトの給与はマンチキンよりも高かった
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出典元:Twitter
ドロシーの愛犬であるトトはケアーン・テリアという犬種です。
本当の名前はテリーであり、オズの魔法使いの他に21作品に出演しています。
テリーの週給は125ドルで、2019年での価値に換算すると1050ドル(日本円にして約11万7000円)です。
2021年現在に換算できる情報がありませんでした。ですが、あまり変わらないかと思います。
2019年の月額に換算すると4200ドル(日本円にして約47万円)ですね!
テリーはかなり賢くて引っ張りだこだったことがわかります。
当時のマンチキン役の俳優たちは週給50ドルしかもらえていませんでした。
・テリーがジュディに懐くように訓練するために、2週間2人は一緒に過ごした。
⇨テリーのことを気に入ったジュディは、飼い主にテリーを譲って欲しいとお願いしたが、断られた。
・テリーは本作品にてトトとしてかなり有名になったため、テリーからトトに名前を変えられた。
その他の裏話④:マンチキンはドロシーにセクハラをしていた
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出典元:ciatr
撮影現場にて、マンチキン役の俳優がジュディのスカートの中に手を入れたことがありました。
雑誌『ピープル』の特集には、「彼らはセットの中で、ジュディのドレスの中に手を入れたんです。彼女の人生は台なしになってしまいました…マンチキンの男たちは40歳かそれ以上でした」と記されている。
「彼らは自分たちがとても小さいので、何も罪を問われないと思っていたんです」
引用元:HUFFPOST
そんなことを隠してでも演技を通したジュディはすごいです。
また、マンチキンの俳優たちは泥酔して撮影場にきたり平気で遅刻したりしていました。
そしてマンチキン役をしていたうちの1人の俳優(ジェリー・マレン)は、「週給50ドルだったから酔っぱらわないとやってられなかった」と話していました。
「ドイツから来た子供たちもみんなビールが好きだった。彼らなんて朝昼晩飲んでたからね。ちょっとしたトラブルもあった。彼らは女の子との出会いが欲しかったけど、それもなかったしね」
引用元:HUFFPOST
セクハラや迷惑をかける飲酒はいつの時代でもこれは許されないことですね。
オズの魔法使いの裏話のまとめについて
衝撃を受けた話もあったかと思います。
昔の映画は色々と闇があるという話もありますからね。
オズの魔法使いは世界的にも歴史的にもかなり有名な映画であるため、老若男女関係なく受け継がれていく作品の一つです。
年代ごとに作品の受け取り方も違ってくるかと思います。
これらのことを踏まえて再度「オズの魔法使い」を観るとまた見方が変わるかもしれませんね。